水道業界に興味はあるけれど、実際の年収がどれくらいなのか気になる。これは、多くの人が最初に抱く疑問かもしれません。体力がいる仕事、資格が必要な仕事、責任もある…そのわりに、収入は十分に得られるのかどうか、気になる方も多いでしょう。
実際のところ、水道工事に関わる仕事の年収は、経験や保有資格、会社の規模や地域によって大きく差があります。一方で、未経験からスタートしても、コツコツ続けていけば安定した収入を得られる仕事でもあります。
ここでは、水道業界の平均的な収入水準から、経験を積むことでどう変化するか、また収入アップに繋がる要素についても詳しく整理していきます。
未経験・若手の年収目安
水道業界に入ったばかりの方や、未経験から挑戦する場合、年収の目安はおおむね250万円〜350万円程度が一般的です。月収に換算すると20万円前後からスタートすることが多く、地域や会社の方針によってはもっと低い、あるいは高い場合もあります。
この段階では、まだ資格も経験もないため、業務の範囲が限られており、補助作業や軽作業が中心です。重機を扱ったり、配管図を読み取ったりといった専門的な工程には関われないことが多く、それが給与にも反映されています。
ただし、水道業界の良いところは「昇給のスピードが早い」点にあります。半年〜1年ほどで簡単な作業を任されるようになり、2〜3年経てば現場での中心的な役割を担えるようになります。実務の中で覚えることが多く、現場に出続けることで自然と技術が身についていくため、評価の対象となりやすいのです。
さらに、資格取得をサポートしてくれる会社であれば、取得時点で手当がつくこともあります。たとえば、「給水装置工事主任技術者」などの資格を取得すると、月々の手当に加えて責任ある仕事も任され、収入アップにつながります。
このように、未経験スタートであっても「続けること」が収入を伸ばす最大の近道になります。
経験者・資格保有者の年収の幅
ある程度の経験を積み、現場を任されるようになると、年収は一気に上がります。目安としては、現場リーダーや職長クラスで年収400万円〜500万円、中堅以上で600万円を超えるケースも珍しくありません。特に資格を取得している場合、その保有内容と現場の規模に応じて評価され、さらに高収入が期待できます。
代表的な資格としては「給水装置工事主任技術者」や「排水設備工事責任技術者」、「管工事施工管理技士」などがあり、これらは単に“資格を持っている”だけでなく、工事の管理責任を負うことができる立場になります。そのため、会社側にとっても必要不可欠な存在となり、給与面でも待遇が手厚くなる傾向にあります。
また、同じ水道業でも、戸建て住宅の施工と、大規模施設の配管や水処理設備では必要とされる技術や知識が異なります。規模が大きい工事に対応できるようになると、報酬もそれに比例して高くなるのが一般的です。
地域差も見逃せません。都市部では案件数が多く、単価も比較的高いため、それに合わせて年収水準も上がる傾向があります。一方で地方では、安定性はあっても単価が抑えられるため、収入に差が出ることもあります。
いずれにしても、経験と資格の掛け合わせによって、大きくキャリアと年収を伸ばしていける業界であることは確かです。
会社や地域によってどう違うのか
水道業界での年収は、個人の経験や資格だけでなく、「どの会社に所属しているか」や「どの地域で働いているか」によっても大きく変わります。まず会社規模の違いを見てみましょう。
大手企業や自治体との取引が多い会社では、案件の単価が安定しているため、従業員にも安定した給与が支払われる傾向があります。また、年2回の賞与や住宅手当・資格手当などが整備されているところも多く、福利厚生を含めた「実質的な年収」は高めです。一方で、個人経営に近い小規模事業者の場合は、仕事量や収益が季節や景気に左右されやすく、収入も変動しがちです。
地域による差も見逃せません。首都圏や政令指定都市では、新築や改修工事の件数も多く、ひとつひとつの案件の単価も高いため、全体的に年収水準が高くなる傾向があります。反対に、地方や人口減少エリアでは案件数が限られることもあり、収入面に物足りなさを感じることもあるかもしれません。
ただし、地方には地方なりのメリットもあります。家賃や生活コストが低く、通勤時間も短いことから、実質的な可処分所得が高い場合もあります。さらに、地域密着で長く付き合える顧客が多く、安定した仕事量を確保している会社も存在します。
年収だけで判断するのではなく、「暮らしとのバランス」「働きやすさ」といった視点も持ちながら、自分にとっての適正な職場を選ぶことが大切です。
手当・賞与・福利厚生の実情
年収を考えるうえで忘れてはならないのが、「手当」や「賞与」「福利厚生」といった収入以外の待遇面です。これらは月々の給与に直接上乗せされるわけではありませんが、実際の生活や将来設計において大きな意味を持ちます。
まず、資格手当。水道業界では特定の資格を持っていることで、月に数千円〜数万円の手当が支給されるケースがあります。現場で必要不可欠な資格を持つ人には、固定給に加えて継続的に手当が支給されるため、長く働けば働くほど安定した収入につながります。
次に、住宅手当や家族手当。世帯持ちや地元から通っている方にとっては、こうした手当があるだけで生活の余裕が生まれます。子どもがいる場合は、扶養手当や学費補助といった支援を設けている会社もあります。
賞与については、年1回〜2回支給している会社が多く、業績連動型ではありますが、基本給の1〜2ヶ月分を基準にしているところが一般的です。また、社内表彰制度や現場完了時の報奨金制度を設けている会社もあり、頑張りが目に見える形で評価される環境はやりがいにもつながります。
福利厚生では、社会保険完備はもちろん、制服支給、工具貸与、資格取得費用の全額補助など、現場で働く人にとってありがたい制度が整っている会社も多く見られます。
→ 年収だけでなく、安心して長く働ける環境を探している方へ
→ 求人情報はこちら
年収アップを目指すためにできること
水道業界で年収を上げていくには、やはり「経験を積むこと」と「資格を取ること」が基本です。目の前の現場を丁寧にこなしながら、段階的にスキルを広げていく。地道ではありますが、確実に評価される方法です。
一方で、所属する会社の体制や評価制度も大きく影響します。努力が正当に反映される環境かどうか、成長の機会が用意されているかどうかを見極めることも大切です。
「今のままでは収入が頭打ちかもしれない」と感じたら、一度視野を広げてみることをおすすめします。
→ 収入や働き方についての不安、まずはご相談ください
